8月22日(日)こどもの食と教育に関する講演会『オルタナティブってなに?』が熊本市中央区のナチュラルショップ「ルーツピュアリィ」で開催された。講師は、ルーツピュアリィの反後人美代表とWING SCHOOLの田上善浩代表。「自分らしい選択ができる社会について」をテーマに、2人の講演が行われた後、活発な意見交換も行われた。
反後氏は、自身の出産や子育ての体験を交えながら自然農法にたどり着いた経緯を紹介。自然農法と現代農法や有機農法との違いを説明。現代農法や有機農法の農作物は、日が経つと腐るのに対し、自然農法の場合は、発酵して枯れていく。現在は、レストランやマンションや衣服などの衣食住すべてにこだわった事業を展開している。最後に、赤ちゃんの生命力を例に挙げながら「未来は明るい」と訴えた。
次にWING SCHOOLの田上氏は、教育のオルタナティブ化について講演を行った。田上氏は、教育を受ける側に「多様な選択肢が必要」と説明。現在不登校と呼ばれるこどもたちが23万人おり、ある調査では先生とのトラブルを不登校の原因にあげている生徒が4割だったことを紹介し、10数回の授業しかしたことがない状態で新任教員にクラスを任せるのは、「レシピを見ながら10数回しか料理をしたことがない人間にレストランを任せるようなもの」と表現。レストランに合わなければ、別のお店に行けばいいが、教育の現場では選択肢が示されていない点を指摘。
WING SCHOOLでは、午前中に熊本市立の学校が採択している教科書を併用しながら知性を育てる授業を行い、午後はプロジェクト学習を実施。自然体験の中で感性を磨き、授業などを通じて知性を磨き、こどもがイベントや行事を企画運営していく中で、夢を実現していく力を身につけていく。田上氏は、「熊本から教育改革を起こしたい」と訴えながら、教育専門職大学として義務教育学校を創る構想も紹介した。
意見交換の場で、オーガニック給食の推進について熊本県議会で要望を行ったことなどを報告し、まずは幼稚園や保育園でオーガニック給食に取り組む意義を強調した。
熊本市議会議員からも不登校に関する質問があり、活発な論議が行われた。