6月16日(火)10時から「高速交通ネットワーク整備推進特別委員会」(高野洋介委員長)が開かれた。空港アクセス鉄道の事業化に向けた3ルート4案が執行部から示され、各委員が質問を行った。
国道57号沿線の密集市街地での構造形式を「高架」とするA1ルート(全長9.3km)は、平成30年調査結果に構造が最も類似したルートで、走行性に優れ、整備延長が比較的短いため速達性に優れる一方、国道57号沿線の密集市街地では、建物のヤードの確保が難しく、限られた空間での成功となり、地上を通るため協議件数が最も多く、用地交渉が最も難しい。
次に、A2ルート(全長9.3km)は、国道57号沿線の密集市街地での構造形式を「地下トンネル」に変更したルートで、A1ルートに比べて、地下を通るため協議件数が少なく、用地交渉の難易性はもっとも低いと評価されている。走行性や速達性にも優れ、施工期間の見通しも立てやすいため、現時点で最も有力といえる。
Bルート(全長9.0km)は、整備延長が最も短いため速達性に優れ、急曲線が占める割合も低く走行性に優れる。施工期間の見通しが立てやすいのと協議件数が少ないのは、A2ルートと同評価となる。
Cルート(全長10.7km)は、空港施設等への影響を考慮したルートで、急曲線の割合がやや低いため走行性では、他のルートより低評価であることに加え、整備延長が長いため速達性も他のルートにやや劣る評価。延長が長いため協議件数も多く、用地交渉の難易性もA2ルートやBルートに比べると少し評価が下がる。
各ルートの概算事業費は、A1ルートが437億円、A2ルートが493億円、Bルートは459億円、Cルートは561億円となっている。
空港アクセス鉄道の事業化は、航空旅客の需要予測を「2051年度に622万人まで増加する」ことを想定した試算になっており、委員から「採算がとれるのか」という指摘もあがっている。県は今後、有識者や関係者、経済団体の代表を交えた検討委員会を設置し、検討を深めたい考えだ。